- 着磁(脱磁)電源装置の寿命はどのくらいか?
- 使用環境や頻度にもよりますが、適正にお使いいただければ少なくとも5~10年は使用可能です。なかには、20年以上故障なしでご使用いただいている製品も多数あります。
- 着磁(脱磁)電源装置のコンデンサ交換は必要か?
- はい、必要です。一般的にオイルコンデンサは劣化せず永久使用が可能と言われますが、実際には缶や充填材の劣化により容量抜けが生じることがあります。年に1度はCメーターなどで静電容量のチェックをお勧めします。ケミカルコンデンサの場合は、一般的にオイルコンデンサよりも早く劣化するため、頻繁にチェックすることをお勧めします。
- 着磁(脱磁)電源装置は、50HZ地区用と60HZ地区用で違いがあるのか?
- ありません。ただし、50HZと60HZでは充電時間(スピード)に差が生じるため、周波数に応じた出荷前調整を行っています。新規購入時や移設時には、事前にご相談ください。
- 着磁(脱磁)電源装置のコンデンサを交換する場合、劣化が顕著なコンデンサのみ交換すればよいのか?
- お勧めしません。新旧のコンデンサを混在させると、個々のコンデンサの固体差が大きいため、新しいコンデンサにも悪影響を及ぼします。結果として、せっかく交換した新しいコンデンサの劣化を早めてしまうのです。コンデンサ交換は、一斉に同一製品を総入れ替えすることをお勧めします。
- 着磁ヨーク・コイルの寿命はどのくらいか?
- 使用環境や頻度により大きく変わります。過度な使い方をすれば、数日で故障することもあります。適正にお使いいただいても、一般的には着磁(脱磁)電源装置よりも製品寿命は短いです。
- 着磁ヨーク・コイルの寿命を延ばす方法はあるか?
- 発熱部であるコイルを効果的に冷却することが一番です。着磁する磁石の形状や仕様により、先にコイル巻き数や必要電流が決定されるため、後はコイル銅線の発熱を可能な限り抑え、冷却することとなります。そのため弊社では、可能な限り冷水循環装置(チラー)による強制水冷を採用しています。
- 着磁ヨーク・コイルにも保証期間はあるのか?
- ありません。着磁ヨーク・コイルは、その使用方法や使用条件が特殊なため、弊社では消耗治具の扱いとさせていただいています。そのため、保証期間は特に設定していません。あらかじめご了承願います。
- 着磁ヨーク・コイルの故障原因は何が多いか?
- 一番多いのは、大電流が流れることによるコイル線の発熱による断線(パンク)です。次に多いのが、リード線の振動劣化による断線です。いずれも断線時に高圧大電流によるスパークと大きい音が発生します。破片が飛散することもあるため、注意が必要です。
- 着磁ヨーク・コイルの寿命や故障の予見は可能か?
- 大変困難です。リード線の劣化や樹脂モールド部のひび割れなどは目視検査が可能なので予見できますが、実際は目視不可能な疲労劣化や経時劣化により、突然破壊へと進展するケースが圧倒的に多いです。そのため、確実に予見することができないのが実情です。
- 着磁(脱磁)電源装置や着磁ヨーク・コイルの使用上の注意点は?
- 高圧大電流の機器のため、まず電気的な感電防止対策が必要です。また、着磁ヨーク・コイルは破裂し破片が飛散する可能性があるため、安全カバーなどの装着が重要です。その他、多種多様の対応・対策が必要になるため、まずはご相談ください。
- 着磁ヨーク・コイルの修理は可能か?
- 基本的には不可能です。単純な形状の製品のひび割れ程度なら修理可能な場合もありますが、高精度の機械加工やコイル巻きを施している製品の場合は、修理しても当初の性能(精度)はまず得られません。あらかじめ予備品を用意されることを強くお勧めします。
- 海外向けの異電圧仕様の機器の製作は可能か?
- 可能です。着磁(脱磁)電源装置については、電圧および周波数仕様をお知らせいただければ、製作可能です。ガウスメーター・フラックスメーターなどの測定器については、その多くがユニバーサル電源仕様となっています。国内仕様のみの場合は、ダウントランスの追加などで対応可能です。
各製品の詳細説明や磁気(着磁・脱磁等)に関する専門的な用語などについては、「永久磁石と着磁 ガイドブック」にて詳しく説明させていただいております。詳しくはお問い合わせ下さい。